放射線室

概要

放射線室は診療放射線技師37名(女性技師7名)、事務員5名から構成され、現在の医療には欠かせない様々な画像検査から放射線治療まで幅広く行っています。 診療業務は大きく画像診断部門と放射線治療部門に分けられます。 更に、画像診断部門は、一般撮影、ポータブル撮影、X線透視、マンモグラフィー、骨密度検査、CT検査、MRI検査、血管撮影、核医学検査に分けられ、各部門には専門技師が常駐し、安心・安全な医療の提供に努めています。 また、電子カルテ導入、フィルムレス化に伴い、撮影された画像は画像支援システムに送信され、各診療科に迅速に 画像の提供を行っています。 当院は日本救急撮影技師認定機構実習施設に指定されています。

放射線室部門紹介

画像診断

単純X線検査(一般撮影)/回診X線検査(ポータブル撮影)単純X線検査は、X線を使用する検査として最も一般的な検査(レントゲン撮影)です。 X線を人体に照射し、各組織を通過してきたX線量の違いを画像として表示します。肺や腹部の状態、骨折の有無、骨と関節の状態を見たいときに行われることが多い検査です。 回診X線検査は、病棟や救急外来、手術室などで小型の移動型X線装置(ポータブル)にてX線撮影を行う検査です。一般撮影室まで移動することができない患者さまのところまで装置自体を移動して撮影します。 FPD(フラットパネルディテクタ)装置導入により、撮影後その場で画像の確認が可能です。 FPD単純X線装置が一般撮影室に4台、救急外来に1台を設置。 FPD回診X線装置が、病棟用4台、救急外来用1台、手術室用1台設置。

X線透視検査

X線を連続的に発生させ、その透視像をTV装置で観察する検査です。胃のバリウム検査や食道・小腸・大腸などの消化管疾患の診断、骨折や脱臼の整形整復等にも使用します。FPD(フラットパネルディテクタ)搭載X線透視装置 3台を設置。

骨密度検査

骨密度検査は、腰椎または近位大腿骨に2種類のエネルギーのX線を照射し、X線の骨による吸収の差を利用し、骨を構成しているカルシウムなどの量(骨量)を測定することで骨の強度を調べる検査です。骨粗鬆症や治療判定等の目的で行われます。検査時間は概ね15分程度です。

乳房撮影検査

乳房撮影(マンモグラフィ)は乳房専用のX線撮影です。乳がんの早期発見に欠かすことのできない有効な画像診断の1つです。微細な石灰化や触診等でわかりにくい小さなしこりを画像として捉えることが可能です。機器更新され、新たに断層撮影が可能になり、乳腺の重なりや病変部の構造をより詳しく観察することができます。また、当院の女性技師は検診マンモグラフィ撮影認定を取得しています。

CT検査

CTはコンピュータ断層撮影「Computed Tomography」の略です。身体にX線を照射し、透過したX線量の差をデータとして集め、その情報をコンピュータ処理して身体の内部を画像化する検査です。 単純X線検査(レントゲン検査)では得ることができない詳細な体内の情報を得ることができます。 検査時間は部位や方法によりますが、概ね5〜15分程度です。 単純CT検査と造影剤を使用する造影 CT 検査があり、造影剤は体内をより詳しく観察するために使用します。 64列CT装置2台、80列CT装置1台、更に救急診療用80列CT装置1台を設置。

MRI検査

MRIは磁気共鳴画像「 Magnetic Resonance Imaging 」の略です 。一般撮影やCT検査などとは違いX線は使用せず、強い磁石と電磁波を使用し体内の状態を断面像として描出する検査です。X線を使用しないため、放射線被ばくが無 く、任意の断面を撮像できる特徴があります。しかし、大きな検査音と検査時間を要することが難点です。検査時間は部位や方法によりますが、概ね30分程度です。
単純MRI検査と造影剤を使用する造影MRI検査があり、造影剤は体内 をより詳しく観察するために使用します。1.5T(テスラ)装置2台、3.0T(テスラ)装置1台を設置 。

血管撮影検査

透視画像を見ながら目的の血管までカテーテルという細い管を進めていき、造影剤を注入して撮影する検査です。腫瘍や血管の病気(狭窄・閉塞)の診断及び治療を行います。血管撮影の適応は頭部から四肢(手足)まで多岐にわたり、最近では診断だけでなく、IVR(Interventional Radiology)と呼ばれる血管内治療も積極的に行われるようになり、当院では年間約 1500 件が行われています。心臓血管撮影装置(シングルプレーン)1台、心臓用血管撮影装置(バイプレーン) 1台、頭部・腹部用血管撮影装置(バイプレーン) 1台を設置。

ハイブリッド手術室対応血管造影

ハイブリッド手術室とは、手術台と血管造影撮影装置を組み合わせた手術室の事です。従来、血管撮影室で施行していた血管内治療が、手術室でより安全に行えると共に、手術室と血管撮影室、それぞれ別の場所に設置されていた機器を組み合わせることにより、さまざまな医療技術に対応することができます。2021年10月より、当院はハイブリッド手術室を運用しており、この地域において新たな医療の提供に努めています。

RI検査/PET-CT検査

RI検査は、ごく微量の放射性同位元素(RI:Radio Isotope)を目印として用いた「放射性医薬品」を体内に投与して、臓器や病変部に取り込まれた検査薬から放出されるガンマ線を専用装置のガンマカメラで撮影し画像にする検査です。検査時間は概ね数分〜数10分程度です。また、検査薬の体内での動きをみるために 1 日 2 回あるいは別の日に数回に分けて撮影する事があります。標的となる臓器や病変によって使用する放射性医薬品は決定されます。PET-CT検査は、ブドウ糖に非常によく似た糖の一種の DG (デオキシグルコース)と放射性同位元素のF(フッ素)を組み込んだ検査薬「FDG」を投与し、その集まり具合を専用装置で撮影し画像にする検査です。また、PET装置とCT装置を併用することによって鮮明に病変の位置や大きさを撮影することができ、一度の検査で、ほぼ全身を調べることができます。両検査とも微量の放射線被ばくを伴いますが、健康に影響をことなく安全に、痛みや苦痛もほとんどなくできる検査です。RI装置(ガンマカメラ)1台、PET-CT装置1台を設置。

放射線治療

放射線治療は手術や薬物療法抗がん剤と並ぶがん医療の重要な治療法の1つです。高エネルギーのX線や電子線などの放射線を用いて、がんを安全かつ効果的に治療する方法です。放射線治療によって、がんの治療、がんの増大による痛みなどの症状の緩和にも有用です。病気の状態に合わせて、放射線治療のみの治療や放射線治療と他の治療方法を組み合わせて行うこともあります。医師・看護師・診療放射線技師が専門の知識のもと、安全性と快適性に配慮した治療を心掛けています。治療機本体リニアック1台 、治療用計画装置1台、治療用計画CT装置1台を設置。

放射線室認定取得一覧

  • 医学物理士
  • 第1種放射線取扱主任者
  • 第1種作業環境測定士
  • 日本血管撮影・インターベンション専門放射線技師
  • 磁気共鳴専門技術者
  • 放射線治療専門放射線技師
  • 放射線治療品質管理士
  • 救急救命認定技師
  • 検診マンモグラフィ撮影認定技師
  • X線CT認定技師
  • RI専門技師
  • PET研修セミナー修了
  • I-131アブレーション外来治療適正使用講習会修了
  • Ai認定診療放射線技師
  • 臨床実習指導者
  • 放射線管理士
  • 放射線機器管理士
  • 被ばく相談員
  • 災害支援認定診療放射線技師
  • 医療放射線管理責任者
  • 医療画像情報精度管理士
  • 画像手術支援認定放射線技師