MCI外来(レカネマブ専門外来)について
概要
高齢者にみられる進行性の認知機能低下の最も多い原因疾患はアルツハイマー病です。早期のアルツハイマー病はMCI(軽度認知障害)と呼ばれ認知機能の一部に問題が生じるものの、症状が軽く、認知症までは進行していない状態です。このMCI(軽度認知障害)に対する治療薬としてレカネマブが上市されましたが、厚生労働省の最適使用推進ガイドラインに沿って適正に使用する必要があります。当院では、地域の先生方から適応となる可能性のある患者さんを紹介していただく目的で専門外来を開設しました。
対象疾患
アルツハイマー病による軽度認知障害もしくは軽度認知症です。
受診方法
完全予約制です。
地域の医療機関からの完全予約制となります。診療を受けていない患者さんは、まず近隣の医療機関でご相談ください。
既に認知症や認知機能低下に関する診療を受けている患者さんは、診療中の先生とご相談ください。進行性の認知症もしくはMCIの診断が困難な場合は、脳神経内科、メンタルクリニック、脳神経外科の一般外来を受診ください。
なお、当外来を受診しても追加でおこなった検査結果から、レカネマブ治療が適応とならない可能性もありますのでご了承ください。
- 診療予約は医療機関からのみ、地域医療連携室(FAX: 055-948-2103)にてお受けしています。
- 受診日当日に診療情報提供書(紹介状)の原本をご持参ください。
予約枠 | 毎週水曜日 14:00・14:30 |
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ご紹介される先生へのお願い
ご紹介の際は別途「レカネマブ専門外来チェックシート」を用いてご確認ください。
当院地域医療連携室あてに受診連絡票と診療情報提供書、検査データ、レカネマブ専門外来チェックシートをFAX送信(055-948-2103)してください。
- 当面の間、アミロイドPET検査のみのご依頼は受け付けておりません。
MCI外来(レカネマブ専門外来)の流れ
初診からレカネマブ投与まで
アミロイドβ(Aβ)の蓄積を証明する検査として核医学検査(アミロイドPET)と髄液検査(腰椎穿刺)がありますが、当院では侵襲の低いアミロイドPETを優先して実施しています。初診時の診察・検査とその後のすべての検査結果を総合的に検討し、「最適使用推進ガイドライン」に基づいてレカネマブ投与の対象に該当するかどうかを判定、説明します。
レカネマブ投与開始後
治療適応があると判定され、投与を希望された方への投与は、初回のみ1~2泊の入院をしていただき、点滴注射を行います。
2回目以降はMCI外来で2週毎に点滴注射(1回の投与時間は約1時間)を行います。
なお、投与開始後は脳のむくみや出血などの副反応が生じる可能性があるため、定期的な脳MRI検査(4回目投与後、6回目投与後、13回目投与後、以降6か月に1回)が必要です。
現時点での最大投与期間は18か月(投与回数36回)までになります。
費用について
本治療には医療保険が適応されます。それぞれの負担割合に応じた窓口負担金で済むことに加え、高額療養費制度も利用できます。負担金額は各種条件によって異なります。